2013年9月

  

9/2 福よし

(栄町)

日替わり定食 臙脂色のノレンをくぐり、カウンター席につく。
月曜日とはいえ、先客は不在であった。
「きょうは何ができる?」と御主人に尋ねると、魚料理を2種類くらい提案されるから、どちらか好きなほうを注文する、というのがこのお店の流儀だ。 そういうわけで、カンパチの刺身をたのんだ。
カンパチは実に旨いし、小鉢や漬け物もまったく気が利いている。 店内に流れるのがNHKのAMラジオ番組「昼のいこい」なのもいい。
「ウチみたいな店に来るお客さんは少なくなった・・・」と嘆く主人。 こういう大衆的だけど確かなものを出そうという個人店が少なくなっていく現状は、我が国の食文化の将来にとって由々しき事態だと思うが。

日替わり定食 1000円

9/3 ビストロフクモト

(新宿)

日替わりランチ
日替わりランチ
ディッシュカッシュ、ル・クールと、この場所には過去、欧風料理のお店が立地してきた。 そこに再びビストロを名乗るお店がオープンした。
こぢんまりとした落ちついたスペースでいただけるランチは、ビストロというよりも洋食系で、日替わりのほかハンバーグ、オムライス、ドリアのラインナップ。 ビストロ料理の片鱗を味わえるのはおそらく日替わりランチだろうという考えのもと、本日のランチ、チキンのフリカッセをたのんでみた。 豚とゴルゴンゾーラのカナッペとサーモンサラダの前菜には白ワインをグラスでたのみたくなるし、メイン料理のチキンのフリカッセは、塩味が絶妙に利いたソースがいい。
カジュアルに使えそうで、なおかつ落ちついた、いいビストロでした。

日替わりランチ(チキンのフリカッセ) 1000円

9/4 馳走蕎樂はるきや

(祐光)

海老天せいろ 春木屋祐光支店は千葉市中央区内に数ある春木屋の中でもお気に入りのお店でした。 その春木屋がリニューアルして蕎麦ダイニング化したとのことなので、さっそく行ってみましたよ。
店内はかつての大衆的な雰囲気から一変し、いわゆる和モダンな空間になっています。 それでも、ひとり客でも入りやすいよう、カウンター席も少ないながら用意されていました。
蕎麦ダイニングといっても、ランチメニューは普通のおそば屋さんとそう変わりませんが、 箱そばやおかめそばなど、大衆店にあるメニューはなくなったようです。
そんな中で平日限定と赤い文字で書いてあった海老天せいろをたのんでみました。 細いそばに上品なつゆがおいしく、やはりここのソバは自分好みでした。

海老天せいろ 1050円

9/5 亜流本道(閉店)

(長洲)

醤油本道 しばらく前から「永福系中華そば近日オープン」の貼り紙が貼ってあったので、どんなラーメンを出すのか期待して待っていました。 9月1日オープンから数日後の昼にさっそく行ってみましたよ。
自販機を見ると「醤油本道」と「味噌亜流」の2本柱を中心に、つけ麺や各種トッピングが用意されていますが、オープン直後のこの日は「醤油本道」に限定されていました。 醤油本道のボタンをポチッと押して、ちょっと変則的で狭いカウンターに着席。 しばらく待って本道を名乗る醤油ラーメンが出てきました。 スープをひとくちすすると煮干しのダシが強く出て、少しエグ味も感じます。 食べ進めるうちに慣れてきて、食べ終わる頃にはおいしく感じるようなスープでした。
しかし、麺の量は多くないし、スープ表面の脂もそれほど多くないしで、煮干しが利いたスープというところ以外は永福町大勝軒のラーメンとはずいぶん違います。 永福町大勝軒の多すぎる麺とスープを覆うラードの量は好みが分かれるところなので、そこを工夫したという意味で店主が永福系を自称するのはわかりますが、煮干しダシのラーメンを十把一絡げに永福系と呼ぶような風潮はいかがなものかと思います。

醤油本道 730円

9/6 ドラゴン食堂千葉駅前店(閉店)

(富士見)

中華そば+焼き小籠包 JR千葉駅から千葉中央駅に向かうガード沿いに「ドラゴン食堂」というお店がオープンした。 この場所には、数か月前まで味幸という店があり、幾度かお世話になったものだ。
さて、オープン間もない店内はそこそこの混雑で、1階奥のテーブル席に案内された。 メニューを見ると、いわゆる大衆中華のようだが、焼き小籠包を看板メニューに据えている。 ならば、その焼き小籠包を軸に注文しようと思ったが、ランチの定食メニューや定番の定食のどこにも焼き小籠包は見あたらない。 念のため店員さんに焼き小籠包の定食やセットはないかを尋ねたが、焼き小籠包は単品のみだという。 客の心理をわかってないなあ・・・と思いつつ、中華そばと焼き小籠包を単品で注文した。 少し甘いスープの中華そばは特筆するところはないが、焼き小籠包はおいしかった。
以前、別の店で焼き小籠包を食べたとき、意外に食べにくいことに閉口したが、今回はまずてっぺんに穴を開けて、中身をフーフーと冷ましてから、一気に口腔へ投入するという技術を確立したので、実においしくいただくことができた。 こんなにおいしいなら、なおさら焼き小籠包と麺のセットとかを出せばいいのに、と改めて思った。

中華そば+焼き小籠包 550円+350円

9/9 (閉店)

(祐光)

Aランチ(麻婆豆腐) 少し前まで龍一園という名の中国料理店だったが、いつの間にか、以前よりも大衆的な雰囲気のお店がオープンしていた。
店内は男性を中心にほどほどの入りで、大きな卓の一角に席を占めた。
日替わりランチ3種のほか、定番の定食やラーメンセットが600円から各種揃い、グランドメニューからも注文可能だ。 この日、特に食べたいものが決まっているわけでもなかったので、安易に日替わりのAランチ、麻婆豆腐にしてみた。 たっぷり盛られた麻婆豆腐は意外なほど辛く、そして、わりかしうまい。
600円の定食にして、質・量ともに十分満足のいく一品だった。

Aランチ(麻婆豆腐) 600円

9/10

(栄町)

カレーライス 栄町界隈を彷徨い歩いていたら、見慣れぬ場所で「昼定食」のノボリを見かけた。 店名は縁と書いて「ゆかり」という。 ビニールのひさしに染め抜かれた電話番号を信じるなら、1992年4月以前からこの場所で営業していることになる。 「こんにちはー」と声をかけて入ってみた。 こぢんまりした店内のカウンター越しにはおかみさんがひとり佇む。 店先のホワイトボードで確認しておいたメニューを思い出しつつ注文を思案した。 こういうお店の定番はやはり煮魚か焼魚、あるいはカレーライスも家庭的で郷愁をそそりそうだし、などと逡巡していると、おかみさんがカレイの煮付けとカレーライスを自薦してきた。 たまにはこういうお店でカレーライスを食べてみるのもいいかな、と思ってたのんだカレーは、ジャガイモ以外の具が半ば溶けているところなど、まったくもって2日目以降の家カレーそのものだ。 家庭的だがコクがあっておいしいカレーを食べながら尋ねてみたところ、ランチを始めたのはこの7月頃からだそうだ。

カレーライス 600円

9/11 みやざき亭(閉店)

(新町)

みやざき豚の生姜焼き定食 外観からして上品な雰囲気が溢れたお店「みやざき亭」がオープンしたのは2013年の春頃でした。 オープンからしばらく経ち、店頭の小さなホワイトボードに「ランチ始めました 水木限定です」の文字を見つけたのが9月です。 外観からして上品な雰囲気ですが、店内も洒落過ぎず、堅苦しすぎずと、非常にいい案配の高級感があるお店です。 ただし、ランチのお値段の方もいい案配に高級で、サバ煮付けが1000円、生姜焼きが1200円もしました。 この日は思い切って1200円の生姜焼きをたのんでみましたよ。 きれいに盛りつけられた肉が4枚、小鉢、香の物という構成で、盛り付け箸のような先が細い使いやすいお箸が用意されました。 生姜焼きは豚肉自体のうま味が十分で、結論から言えば非常に美味しい高品位な生姜焼きでした。 おいしいけれど、1200円はちょっと敷居が高いかな・・・と思っていたら、その後、少し価格帯が引き下げられたようです。 この品位で1000円以内なら十二分に「有り」でしょう。

みやざき豚の生姜焼き定食 1200円

9/12 デニーズ千葉祐光店

(祐光)

さわらの西京焼き定食 祐光のデニーズが、以前よりも50メートルくらい千葉駅よりの場所にリニューアルオープンしたので行ってみましたよ。
日替わりを含め、洋風のランチメニューにいまひとつ食指が動かず、デニーズなのに焼き魚定食をたのんでしまいました。
たのんでから冷静に考えると、漬け魚の焼魚定食で880円は、居酒屋ランチと比べるといくぶん割高だし、魚の質もいまひとつでした。
大手ファミリーレストランでグランドメニューとして切り身の魚料理を採用するには、ある程度、型や質の揃った魚を店の数の分だけ揃えておく必要がありますから、それはなかなか困難なことかもしれませんね。

さわらの西京焼き定食 880円

9/17 萬福

(末広)

鶏の辛子炒め定食 新新飯店が長く営業していた場所が「絆」という名に変わったのが2013年5月で、3か月後の8月には「創作中華萬福」として再オープンしています。 そのあたりの事情はよくわかりませんが、様子をうかがいに行ってきました。
60ポイントくらいの大きなタイトル文字を「LANCH」と堂々とスペルミスして書かれたランチメニューは680円から各種定食などが揃っていますが、ほとんどのお客さんがたのむのは店内の黒板に書かれた5種類の500円定食です。 自分もそれに倣って500円定食から鶏の辛口炒め定食をオーダーしてみましたよ。
濃厚で辛味のきいたあんかけがからんだ鶏はボリュームもあって白いごはんに良く合う味です。 500円でこのボリュームと味は十分お得でしょう。
これを求めてやってくるお客さんで賑わっているのも頷けます。

鶏肉の辛口炒め定食 500円

9/18 吉野家14号線登戸店

(登戸)

ロース豚丼十勝仕立て(並)Bセット ドライブスルー併設の吉野家登戸店を訪れた。
牛丼業界も競争が激しく、各社新メニューの開発に余念がないようで、食べる側にとっては興味がつきない。 吉野家では帯広風の豚丼をリニューアル発売したので食べてみた。
大きめにカットされたロース肉に甘辛いタレがからまって、ごはんに良く合う。 無難においしく、満足感もある一品だ。
吉野家が牛丼だけで商売になった時代に比べ、外食産業のメニューは長足の進化を遂げているように思います。

ロース豚丼十勝仕立て(並)Bセット
480円+120円

9/19 アンティコジェノベーゼ

(登戸)

日替わりランチ(細切り牛肉と玉ネギの白ワイン炒めリグーリア風) 1年ほど前には鶴味亭というお店だった場所が、イタリアンのお店に変わっていました。
店頭の黒板に書かれたランチはAが1250円、Bが1750円、パスタランチが950円と、やや高級志向かと思われましたが、店内で改めてメニューを見ると、水曜日から金曜日は8食限定の日替わりランチが用意されています。 この日は「細切り牛肉と玉ネギの白ワイン炒めリグーリア風」ということで、たのんでみましたよ。
酸味が強いわりに肉の臭みをうまく処理し切れていない感じで、惜しい料理でした。 パスタにしておけば良かったかなぁ。

日替わりランチ 1000円
細切り牛肉と玉ネギの白ワイン炒めリグーリア風

9/20 白百合茶房

(市場町)

ランチセット(ミートソース) 県庁1階にある喫茶コーナーで、白百合茶房という店名がついている。 店名は本格的だが、店内はあまり飾り気のないシンプルな造りだ。
この日、ランチタイムにもかかわらず空席が散見されたのは、あまり食事ができるイメージがないからであろう。 ランチメニューは一応用意されてはいるが、ミートソース又は和風きのこスパゲティのいずれか2種あるだけだ。 ミニサラダとドリンクがついたミートソースは何の変哲もない。
お役所の喫茶室で供されるスパゲティにふさわしい普通さがいい。

ランチセット(ミートソース) 700円

9/24 大阪かしわ屋(閉店)

(本千葉町)

からあげ定食 千葉中央駅のフードコートのたこ焼き屋さんが、大阪かしわ屋という名で唐揚げ店を隣接の場所でオープンさせました。 からあげ定食550円、チキン南蛮定食450円と、なかなかのお得さです。
からあげ4個にコロッケとチキン南蛮が1個ずつついてくる、からあげ定食をたのんでみましたよ。
フードコートだし、簡易な定食かなとたかをくくっていましたが、さにあらず十分なボリュームと唐揚げの味に、思いのほか満足してしまいました。

からあげ定食 550円

9/26 生香園千葉店(閉店)

(新千葉)

週替わりランチA(生姜焼き) 2013年9月、千葉駅西口ロータリーからすぐの場所にオープンした新しいお店で、店頭には生花が飾られ、扉には「新規オープン トリング半額サービス」という、濁点の位置を間違っちゃったチラシが貼ってありました。 「また新しく生香園ができたのか、生香園流行ってるな・・・」と思ったら、千葉駅ビル店が閉店してこちらに移転オープンしたようです。
グランドメニューのほか、定食メニューが600円から各種揃っているのはこれまでとあまり変わっていないようです。 店内はそこそこの入りで、カウンター席について週替わりランチから生姜焼きを選んでみましたよ。
中華の店で生姜焼きをたのむのは初めてだけど、これはこれで肉野菜炒めの生姜風味という感じで、ごはんに良く合ういいおかずでした。

週替わりセットA(生姜焼き) 750円

9/27 リストランテコルネット

(浜野町)

ゼイタクコース
ゼイタクコース
ゼイタクコース
浜野にイタリアンのお店がオープンしたとの情報を知り、とある金曜日に行ってみました。
竹垣に屋根の付いた門はどうみても日本料理店を思わせるけれど、門にはイタリア国旗が堂々と掲げられています。 その門の引き戸を開けて中に進むと店内もまた和の雰囲気が漂う落ちついた空間が広がっていました。
ランチはスープ、パスタ、メイン料理のセレブコースと、セレブコースからメイン料理を省いたゼイタクコースの2種類が用意されており、この日はゼイタクコースをたのんでみました。
まず前菜はムール貝のマリナーラソース。スープの酸味と貝類から滲み出た旨みとのバランスが絶妙にちょうど良く、文句なしにおいしい! この一品が出てきた時点で、このお店の実力は感じましたが、注文したカルボナーラが半分に切られた大きなパルミジャーノレッジャーノを器代わりにして和えられるのを見てさらに感心しました。
チーズの中で和えるパフォーマンスのシズル感も楽しいですが、それだけでなく、パンチェッタの塩分と玉子の甘さにチーズのコクが加わり、クルミが後から利いてくるカルボナーラの味付けも絶妙な濃厚さでこれまた頭抜けて旨いです。
こんなところに、と言っては失礼かもしれませんが、まさかこんなところに千葉市中央区ベストイタリアンがありました。

ゼイタクコース 1200円

9/30 カフェチャオ(閉店)

(長洲)

ナポリタン 2013年9月、千葉県警本部の裏手のビルの1階にカフェがオープンしました。 こぢんまりとした明るいお店です。
3種類用意されたランチメニューは、石焼きビビンバ、ビーフシチュー、ナポリタンです。 カフェなのに石焼きビビンバを用意しているということは、かの国の御出身なのでしょうか・・・。 そのあたりはつまびらかにしないまま、喫茶ランチの王道メニュー、ナポリタンをたのんでみました。
玉ネギ、ピーマン、ソーセージがいい具合に炒まった正攻法のナポリタンをフォークに巻いてバクバク食べ進みます。
喫茶ナポ、いいですねぇ。

ナポリタン 750円