2009年8月

  

8/3

うな徳

(祐光)

うな重 盛夏の候、8月になったので、滋養を蓄えるべく鰻を食べることにした。
さすが夏、祐光の地味な場所にあるお店なのに、鰻を食べようとする人が次々にやってくる。最終的にはテーブルが埋まってしまったほどである。自分はカウンターに座り、うな重を注文。オヤジさんが黙々と鰻を焼いているのを見守りながら待った。
焼き方に少々ムラがあるが、やっぱりうな重という料理は旨い。この料理を考案した人は神だ。
ともあれ暑い夏に食べるうな重はやっぱりいいものだ。

うな重 1900円

8/4

勇寿し

(南町)

ちらし(竹) ノレンは出ているけど、店の外にランチメニューも書かれていない寿司屋にいきなり入るのは、ちょっとした勇気と緊張が求められます。
このお店もそんな一軒で、一軒家のわりと立派な建物に橙色のノレンが掛かっている。「宴会」のノボリは立っているものの、「ランチ」とか「昼定食」のノボリは出ていない。少し呼吸を整えてから思い切ってノレンをくぐった。
店内はゆったりと落ち着いていた雰囲気で、先客は誰もいない。これはもっとも緊張するシチュエーションである。ランチメニューのようなものは特に用意されておらず、通常のおきまりメニューのちらし(竹)をたのんだ。松竹梅の竹なので、「上ちらし」といったところか。
浅めの器に盛られたシャリに多彩なネタが美しく盛りつけられており、さすが上代壱千七百円也だけのことはある。
見た目が美しいだけでなく、食べてはうまかった。思い切って入ってみて良かった。

ちらし(竹) 1700円

8/5

花車

(登戸)

日替わり定食(トリチリソース) 登戸の大通り沿いにある一軒家に涼しげな青いノレンがかかっている。店頭に置かれた黒板に、700円から1000円程度の定食が数種類書かれている。いわゆる居酒屋ランチの典型的な姿である。
建物は比較的新しく、それほど広くもない店内はこざっぱりとした雰囲気で空いていた。とりあえず考えなしに日替わり定食を注文。本日の日替わりはエビチリソースならぬトリチリソースだ。唐揚げにチリソースがからまった濃い味のおかずで、ごはんにはちょうどいい。でも日替わり定食890円はコストパフォーマンス的にちょっと気になる価格帯なので、もうちょっとグレードの高いおかずであってほしかった。

日替わりランチ(トリチリソース) 890円

8/6

おゆみ庵

(生実町)

ぶっかけそば 住宅展示場でよく見るような一戸建ての住宅なので、営業していないときに通りかかっても見過ごしてしまいそうなお店です。営業している日は、えんじ色の「手打ちそば おゆみ庵」という垂れ幕と、メニューの書かれた置き看板が目立つので見失うことはないでしょう。そんな店構えからしても予想はつくけど、メニューを見ると普通のせいろそばが750円と、ほぼ趣味そばの領域です。
蒸し暑かったので冷たいぶっかけそばをたのんでみました。冷たいそばの上に、揚げ玉、大根の千六本、青ネギ、鰹節、そして中央にクルミ入り特製味噌と山葵というトッピングで、これらを和えたり混ぜたりして食べる。このクルミ味噌が香ばしくて程よいパンチがある。ぶっかけるツユだけだとそれぞれの具の主張をまとめきれずバラバラになりそうなところをしっかりと引き締めて絶妙のバランスに持って行く。そばも滑らかでコシがあっておいしかった。ただし、やっぱり量は控えめです。

ぶっかけそば 1100円

8/7

ホンキー☆トンク

(長洲)

カレーバーグプレート 以前この場所にあったウエストウッドは蘇我(南町)に移転したのだが、その場所に再度ステーキとハンバーグの店がオープンした。前の店と何らかの関係があるのかどうかは不明だが、メニューも以前と似ていることだし、改装して店名も変えたくらいにしか思わない客も多いと思う。とにかく、店内は改装されて以前よりもオープンで明るい雰囲気になった。
店頭にもランチメニューが書かれていたけど、改めてじっくりメニューを見たが、わりかしいいお値段に設定されている。まあ、どれかハンバーグのセットにしようかと思って店員のお嬢さんを呼んだら、8月限定のカレーバーグを推薦された。本日から提供開始ということなので、一抹の不安を抱きつつもたのんでみた。
ハンバーグ自体は、肉の主張が強い食感なので、個人的にはもうちょいジューシーさが欲しかったか。
サラダとドリンクがついているとはいえ、現状だと値頃感が今一歩なので、何かもうひとつ特徴があるといいかなあ。

カレーバーグプレート 980円

8/10

麺屋黒船千葉中央店(閉店)

(富士見)

味噌麺 いまひとつお店が定着しない場所に、麺屋黒船がオープンした。チェーン店ではあるけれど、有名店主のプロデュースという独自路線をいくお店です。
ビルの半地下にある店はフロアの広さに比べ客席数が少なく、妙にスペースに余裕がある。壁を向いたカウンターに座り味噌ラーメンをすする。スープは脂っこくなくて味噌の味がストレートに感じられる。ただし平麺との絡みはいまひとつ良くない。平麺にモヤシと揚げ葱が使われているところが「ちゃぶや」を彷彿とさせるけど、ちゃぶやのラーメンとは似て非なるものです。

味噌麺 650円

8/11

壁の穴

(松波)

本日のランチ(和風明太子しそ) 西千葉にあるパスタ専門店「壁の穴」です。看板に「東京・渋谷」と書いてあるので、渋谷本店からのノレン分け(ノレンは出てないけど・・・)なのだと思われますが、そごうにある壁の穴とは経営が異なるようです。そのあたりの裏事情はよくわかりませんが、いずれにせよ和風パスタが特徴のお店です。
メニューを見るとパスタの種類はかなり多いので迷うのは必定です。本日のランチとして4種類が設定されているので、無難にその中から和風明太子しそを選択しました。
千切りの大葉と海苔がたっぷり乗った明太子スパゲティは、ベースの和風ダシの旨み、明太子の辛さ、しょっぱさ、油脂の甘さと、トッピングの大葉の清涼感がバッチリ調和して、これまでに自分が食べた中で最もうまかったと言ってもいい和風パスタでした。いやー良くできてるわ、これ。

本日のランチ(和風明太子しそ) 1000円

8/12

満亭(移転)

(問屋町)

野菜炒めセット 4階にあったボウリング場も閉鎖され、ゴーストタウン化に拍車がかかるポートタウンです。
ただでさえ寂寞としたレストラン街なのに、コーヒーショップのコロラドが水曜日定休だし、もう一軒のとんかつ屋は店の評判がアレだし、要するに選択肢がないのでここが混んでいるのでしょう。
野菜高騰の折とはいえ、野菜炒めがほぼモヤシ炒めだし、サラダのつもりの小皿はキャベツの千切りだけというのに苦笑してしまいます。全体的に見た目が地味です。
それでも炒め物の味はまずまずだし、ライスの量が多めという長所もあるのですが・・・。

野菜炒めセット 710円

8/13

ミキ

(大森町)

しょうが焼き なぜこんなところでランチ営業を?という疑問を抱かざるを得ないような住宅地のただ中にあるスナックです。周辺には他にランチを食べられる場所はまったくないので、それなりに成り立つのかも。
店内は明るい雰囲気ではありますが、いかにもスナック然としており、ひとつのテーブルに客だか店員だかわからない感じで3人が座っていたけど、本当のお客さんはそのうちの1人だけ。元々スナックなのでそういう接客なのかもしれません。
スナックのランチにしては珍しく、店の外にメニューが明記してあり、その中から生姜焼きを注文しました。家庭的で濃い味付けだしボリュームも十分。普段どんな人たちがやってくるお店なのでしょうか。謎は尽きません。

しょうが焼き定食 800円

8/14

マッザャラン(閉店)

(栄町)

冷麺 衰退も行き着くところまで行き着いて、もはや場末のコリアンタウンに成り果てた栄町界隈である。そこには彼らのコミュニティ向けの飲食店も多数存在し、ランチ営業も行われている店もあるわけだが、何を食べさせてくれるのか、値段はいくらなのか、そうした情報が一切わからない店が多い。日本にいながら、さながら異国にいる緊張感を味わえるのである。そういう店も悉皆調査の対象にするのか迷うところだが、なるべく訪問してみたい。そんな中、このお店は店頭に日本語でランチメニューが書かれているので抵抗感なく入れるのだ。
ランチメニューは、冷麺、石焼ビビンパ、味噌チゲ、餅ギョウザスープがある。暑かったし冷麺をお願いした。こぢんまりした店内には他に客はない。携帯ゲームをしながら待つことしばし、韓国料理に定番、白い小皿の前菜が3種に冷麺が出てきた。冷たいスープにもうちょっとコクが欲しいが、まあまあ日本人にも向いている味かなと。

冷麺 750円

8/17

ケルン

(新千葉)

ふわふわ卵のオムライス 店名から純粋な洋食専門店を想像して店に入ると、店内の壁面には大型ディスプレイが2台設置されていてカラオケスナックを彷彿とさせるが、トータルとしてはカフェレストランの体裁である。
ランチはカレー、ハンバーグ、オムライスなどの洋食メニュー。最近あまり食べてないオムライスをたのんでみた。バターが程よく利いて普通においしいオムライス、そしてスープはカップに入っていたけど、何とこれは味噌汁だった。言えば箸を出してくれたのかもしれないけど、出された食器のみで完食を目指す。でもやっぱり味噌汁はスプーンでは食べにくい。

ふわふわ卵のオムライス 780円

8/18

ヴァンセーヌ(閉店)

(亥鼻)

冷製カルボナーラ 2008年5月にオープンした千葉大附属病院の「ひがし棟」の11階に展望レストラン「ヴァンセーヌ」がある。病院の正面入り口から右方向にかなり進んだところに「ひがし棟」があって、さらにエレベータに乗って11階と、アプローチは容易なものではない。
ようやくたどり着けば、11階とはいえ亥鼻山の上に建っているから眺望は抜群である。白を基調とした清楚なインテリアのテーブル席に案内され、今月のおすすめと書かれた冷製カルボナーラなるものをたのんでみた。
このお店、接客がきびきびして気持ちが良かった。実はこの病院内の他の食堂も接客の手際良さが際だっている。経営は同じだと思われるが、どんな従業員教育をしているのだろうか。大手レストランチェーンもここを見習って欲しいものだ。と、接客ばかり褒めてしまったが、この冷製カルボナーラ、冷製パスタによく使われるカッペリーニという細麺のパスタが使われていて、ちょっと塩分が強いけど、なかなかおいしかった。眺め良し、接客良し、味も良し。ただしアクセスに難あり、といったところでしょうか。

冷製カルボナーラ 980円

8/19

バケットアリオ蘇我店

(川崎町)

チキンランチ アリオ蘇我2階レストラン街のベーカリーレストラン「バケット」です。隣の「石焼きごはん倶楽部」と同じサンマルクグループのお店です。
ランチタイムには各種料理に126円プラスでパンの食べ放題がプラスされるシステムで、料理が来るまでパンだけバクバク食べるも良いし、ぼんやりと待っていても良い。
食べ放題のパンは全部で15種類。ひとつひとつが小さくできているので、全種制覇も不可能ではありません。また、このパンが焼きたてでおいしいうえに、選んだ鶏肉料理もスパイシーで濃厚な味付けだから、パンに良く合うのです。結局10種類12個を食べて満腹。料理のバイキングはあまり好きじゃないけど、パンのバイキングは楽しくて好きです。

チキンランチ(若鶏のスパイスグリル彩り野菜のマリネ添え)+パン食べ放題 934円+126円

8/20

パントリーコヨーテ

(中央)

エッグバーガー 手打ちそばの「おか村」がこの3月で閉店したその場所に、そばとは180°方向が異なるハンバーガーをメインに据えるお店がオープンした。ウッディなカントリーウエスタン調の外観、店内である。ランチタイムには各種ハンバーガーとロコモコなどが食べられるが、ハンバーガーは800円前後する。いわゆる本格派のハンバーガーなら標準的な価格である。基本のハンバーガーに目玉焼きを乗せたと思われる「エッグバーガー」をたのんでみた。
大きめのバンズにボリューム感のあるハンバーグと目玉焼きが乗り、揚げたてのポテトフライとスープがついてくる。具の上からバンズの頭を乗せて、専用の包み紙ではさんで大口でガブリとかじりついた。ジューシーでウマい。安さ勝負の大手ファーストフードチェーンのハンバーガーとは次元の違ううまさだ。ただ、耐油性の紙ではさんで食べるとはいえ、ソースやら肉汁やらで手と口がベロベロになってしまった。単に食べるのがヘタなだけかもしれないが。

エッグバーガー 870円

8/21

魚斌(閉店)

(松波)

日替わり定食(イワシ刺身) ずいぶんくたびれた看板には「魚料理 魚斌」と、市内局番2ケタの電話番号が書いてあるから相当古くからあるお店だとわかる。アルミサッシの引き戸を引いてノレンをくぐると、店の古さに比例してオヤジさんも古かった。
店名に偽りなく、各種定食は魚を使ったものばかりがたくさん揃う。何でも良かったので日替わりのイワシ刺身定食をお願いした。大ぶりなイワシを1尾全部使ってしまったのか、刺身の量が大量だ。イワシはちょっと柔らかくなってしまっているけど、刺身としてはギリギリOKくらいで、まだおいしく食べられる。脂が強い魚なので生姜と醤油を多めにつけながら食べていくけど、後半は少し飽きる。刺身盛り合わせをいただくのが正解だったかな。

日替わり定食(イワシ刺身) 700円

8/24

馬酔木(閉店)

(富士見)

デイリーランチ(ポークソテー) 洒落た洋館に「焼肉大将軍」の看板はいささか不似合いだが、仕方のないことなのでしょう。1階、2階は大将軍に譲ったものの、地下1階で命脈を繋いでいる「馬酔木」をひさかたぶりに訪れました。シックで重厚なインテリアは変わらないし、メニューも以前と大きくは変わっていないように思えるが、店は空いていた。
窓際のテーブルに通され、日替わりのデイリーランチを注文。本日のデイリーランチはキノコのクリームスープとポークソテーマスタードソース。そこそこおいしくいただいたが、このお店の売りはやっぱり他にはない重厚な雰囲気。この貴重な空間を守るためにも、みなさんせっせと通ってみてはいかがでしょう。と、お店の回し者ののようなコメントで締めたいと思います。

デイリーランチ(ポークソテー) 1000円

8/25

花月庵松ヶ丘支店(閉店)

(仁戸名)

箱そば 大網街道から細道に少し入ったところにあって、どんな客層を期待しているのか、ここで営業は成り立つのか、まったく大きなお世話ではありますが、そういう部分で心配になってしまうような花月庵です。
立地がそんな場所のうえにノレンが出ていない日も多く、あまり真剣に営業する気がないのかもしれません。なにしろ客席もフロアに1卓、小上がりが1卓だけという控えめさで、先客は店の人と顔見知りのような老婦人ひとりです。
お品書きを見ると、ひととおり普通のおそば屋さんにあるメニューはそろっていますが、ヘタに変わったものをたのんで断られたりすると気まずいので、間違いなさそうな箱そばをお願いしました。ツユもそばも、思ったとおりの普通さで期待通りと言えば期待通りです。年配のご夫婦で切り盛りしているようなので、細々とできる範囲で営業を続けているのかもしれません。

箱そば 600円

8/26

天風(閉店)

(東千葉)

かけそば+かき揚げ 郊外型立ち食いそば店とでも言えばいいのでしょうか。主要街道沿いではないし、繁華街、ビジネス街のいずれでもない立地で立ち食い店を営む理由や根拠はよくわからない。どんなお客さんをターゲットにしているのか全く読めないけれど、ビニールひさしには「立喰そば」と書いてあった。案の定ではあるが、昼時なのに先客ゼロ。カウンターに椅子がずらりと並んでいるのが目立つ。本当の立ち食いではなく、いわゆる立ち食い風の店なのだ。
注文したのは立食ならではの定番メニュー、かき揚げ天ぷらそば。安っぽい丼、濃い色のツユ、野菜メインのかき揚げと、ビジュアル的には典型的立ち食いそばである。ツユの色は濃いのにダシは弱いのが多少残念だが、280円なら仕方ないか。

かけそば+かき揚げ 280円+100円